帰ってきましたNo.6!!!!!
私の活字中毒を一層加速させたヤングアダルトシリーズから、新作が出ました。
止まっていた物語が動き出すのが怖くて、第1刷が出た時にはすでに購入していたのですが、今まで寝かしていました。
あらすじ そもそもNo.6とはなんなのか
舞台は、度重なる戦禍で地球環境が壊滅した近未来の世界。絶滅の危機に直面した人類は、最後の希望を託して、残された6つの土地に「人工都市」を建設した。
外部との接触を完全に遮断する高い壁。都市を管理・運営する「市当局」が保証する、安全と安定した暮らし。行き届いた医療に、充実した教育制度――なに不自由ない一生を送ることができる環境が整えられた6つ目の人工都市「NO.6」は、“聖都市” の別名を持つ理想都市であった。
しかしその実態は、「市当局」による完全管理社会。住人は知能によってランクづけされ、住む場所も受ける教育もすべてランクで定められてしまう。
それだけではない。
「NO.6」において、「市当局」への忠誠は絶対。管理体制への不満を漏らしたり、反抗的な態度を取る者は、治安局の手によって「西ブロック」にある矯正施設へと送りこまれる。――一度入ると、二度と生きて外に出ることはできない――そう噂される施設に。
人類の“ユートピア”であると同時に、逃げ場のない“ディストピア”――それが「NO.6」なのだ。
(講談社 コクリコより)
第1シリーズを読み切った人間としてはどこをとってもネタバレになりそうなので避けたいのです。

栞が入っていました。大切すぎて絶対使えない。
中学生の私と大学生の私
大学生になり、中学生の時に市立図書館で読み漁っていた時からざっと8年が過ぎました。
私は当初、No.6を冒険物語として読んでいました。紫苑がネズミに出会い、ネズミを、イヌカシを少しずつ変えていく。そして同時に、あまりにまっすぐな言葉に惹かれてもいました。彼らは、嘘をつきません。言葉を刃のように、丁寧に、時に冷酷に扱います。中学生の私は、そこに安堵していたように思うのです。思春期の私は、ある意味ネズミになりたかったのかもしれません。嘘をつかず、自分の意思に背かずに生きること。それは当時の私にとって、とんでもなく難しいことでした。それは、きっと紫苑がネズミに憧れる感情に近いものだったように思います。
だからこそ、ネズミが紫苑の元を去った時、安心と同時に失望もした記憶があります。世界とはそういうものだ、と。何かを成し得ることは、きっと何かを失うことなんだろうと、私の中で納得していました。
そして、私は大学生になり、ネズミが帰ってきました。
素直に嬉しい!!!!!!!おかえりネズミ!というかおかえり全員!!!!
思春期を過ぎ、一番恐れていたことは「ネズミの言葉を、紫苑の言動を、冷笑するような大人になっていないだろうか」という恐怖でした。彼らのまっすぐさを受け止めれるほど、私は素直に成長できているだろうか。
杞憂でした。紫苑やネズミの言葉はまっすぐで、一つも変わってなくて。そして中学生の私が見落としていたことの一つに、「現実世界とNo.6は根本的に変わらない」ということがあります。貧しい人もいれば富んでいる人もいる。圧政もあればそれにまつわる駆け引きだってある。戦争はそこらじゅうで起きていて、かと思えば、火藍のように日々を淡々と積み重ねる人もいる。
その中でも紫苑は、まっすぐ進んでいました。それがやっぱり、21歳の私にすら眩しくて、悔しかったです。(すごい、紫苑たちの年齢を超えてしまった。)
気がついた火藍の存在
中学生で読んだ時、一番印象が薄いキャラクターが火藍でした。紫苑の母親で、パンを焼いている人、というイメージ。
が、今回読んでみると
こんなに愛に溢れた人でしたっけ???????
チェリーパイを焼くシーンで、火藍が考えていたことを追っていくうちに、思いっきり泣いてしまいました。ここで泣かされると思わなかった。
きっと愛情というものは、自分が与える側になってようやく気づくものなのだろうと思います。中学生の私には、火藍が紫苑に向ける眼差しが「愛情」だとはわからなかった。私が家族や大切な人から受けていた眼差しを愛情として享受できるようになったからこそ、火藍の優しさが言語化されて飛び込んできた時、泣けるようになったのだなあと思いました。思ったより成長していました、私。
初めての読書感想文
最初に紹介するなら、大好きな本!でもちゃんと更新されているシリーズ!という縛りのもと、初めてみました。小さい頃は本が好きだったけれど、今はもう離れてしまった、みたいな人におすすめです。
初めての方も久しぶりの方も、ぜひ手に取ってください!
